軽犯罪法違反 (護身術・武器に関連した項目一部抜粋)

正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに
使用されるような器具を隠して携帯していた者。


「正当な理由」があるとは、同号所定の器具を隠匿携帯することが、職務上又は日常生活上の必要から、社会通念上、相当と、相当を認められる場合を言い、これに該当するか否かは、当該器具の用途や形状・性能、隠匿携帯した者の職業や日常生活との関係、隠匿携帯の日時・場所、対応及び周囲の状況等の客観的要素と、隠匿携帯の動機、目的、認識等の主観的要素と総合的に勘案して判断すべきである。   
2013年5月には(当人に明らかに異常な言動が見られない限りは犯罪を疑う理由はなく職務質問等は違法)とする判決が示された。

刃渡り15㎝以上の刀(日本刀を指す)・剣等(両刃の刃物を指す)は銃刀法3条により所持が禁止されており、刃体の長さが6㎝を超える刃物(カッターナイフやはさみなど)は同法22条により携帯が禁止されているため、本号は原則として6㎝以下の刃物等(刃渡り短い剃刀など)について適用があることになる。また、「隠して」という文言があるため、ベルトに装着等、キーホルダーなどにぶら下げるなどして(他社から見える形で)公然と携帯していれば軽犯罪法違反に該当しないこととなる。しかし、その一方で多くの道府県の迷惑防止条例では、「何人も、公共の場所又は公共の乗り物おいて、正当な理由がないのに、刃物、鉄棒、木刀その他人の身体に危害を加えるのに使用されるような物を、公衆に対し不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない。」と規定されているため一概に合法とまでは言い切れない。

催涙スプレーについて(その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具)に該当すると判断した判例がある。

経理に従事して職務上多額の現金や有価証券等を職務上電車や徒歩で輸送することがあるから防犯用に催涙スプレーを入手した被告人が、健康上の理由から行うサイクリングを深夜に行う際に、催涙スプレー1本を自ら防御用に隠匿携帯した事例において「正当な理由」があると判断した最高裁判例がある。

正当な理由がなくて合鍵、のみ、ガラス切りその他、他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者、ただし、「隠して」という文言があるため、公然と携帯していれば軽犯罪法違反に該当しない事となる。また特殊開錠用具については携帯自体が正当な理由がない場合はピッキング防止法違反に問われることもある。